卒業論文

本学では、大学における学習と演習での研究成果の総まとめ・集大成として卒業論文を作成するために、4年次に「卒業論文」(4単位)を選択履修することができます。「卒業論文」は必修ではありませんから、卒業に要する必修及び選択必修の単位にはなりませんが、修得した単位は選択科目の単位として卒業要件の128単位に含まれます。

※以下、本学「卒業論文作成の手引き」抜粋

卒業論文について

まず、卒業論文とレポートの違いとして、次の3点があげられます。

  •  第1のポイントはテーマを選択するのは誰かということです。レポートは、通常、教員から与えられた課題に対していろいろと調べた結果を文章にまとめますが、卒業論文は、学生自身で書こうとする主題やテーマを考え決定します。指導教員はテーマの選択について助言をしますが、最終的には、自分が最も関心のある問題を論文のテーマに設定します。これが、レポートとは異なる最も大きな点です。
  •  第2は、論文作成にかける期間です。レポートは課題が与えられてから、夏季休暇中の課題などを除くと、長い場合でも1ヶ月ほどで提出となります。一方、卒業論文は少なくとも1年間をかけての作成になります。4月に履修申告をして12月に提出ですので、厳密には1年間と言えないかもしれません。しかし、4年次になる前の2年間の演習を卒業論文の準備段階であると考えますと、1年間以上をかけているといえます。この長い期間にわたる自己学習を継続し、積み上げて初めて卒業論文となります。
  •  第3は、論文としての体裁が必要になります。レポートでもある程度の体裁は決まっていますが、卒業論文ではその体裁・構成がより定型化しています。体裁・構成や書き方がきちんとできていない場合は、卒業論文としては認められませんので、定められた体裁・構成・書き方に沿って作成することになります。

卒業論文題目について

(1)テーマ・内容の設定

大学の講義や演習などで学んだこと、あるいは新聞やテレビの報道で知ったことなどに関して、もっと深く知りたいと思ったことがたくさんあると思います。そうした知的欲求や疑問が卒業論文のテーマに発展していきます。この段階で知りたいことや疑問に思っていることはまだ漠然としているかもしれませんが、それでかまいません。
しかし、漠然としたままでは論文のテーマになりませんので、自分で考えていることを少し具体的な言葉に置き換えて、文章化する作業が必要になります。もちろん指導教員と相談して、卒業論文として可能な内容かどうか等の指導を受けることが大切です。一人で考えてもなかなかいいアイディアは浮かびませんし、まとまりません。教員に繰り返し相談することが卒業論文作成の重要な第1ステップです。

(2)題目(タイトル)の決定

テーマ・内容が決まったら次は、論文題目(タイトル)の決定です。論文題目は、集めた資料の分析や、執筆段階で変わることもあります。論文を書き始める前と書き上げたときで自分の考えや意見が変わることもよくあります。むしろ自分の考えの変化を自覚することも「卒業論文」という自己学習の成果の一つといえます。
しかし、題目を設定せずにただなんとなく文章を書いても論文にはなりません。前項で決めたテーマ・内容を、どのような手順・順序で論文にまとめていくか構想を練り上げなければなりません。曖昧で複数の事柄が混在していたのでは論文とは言えません。構想がまとまりますと論文作成がスムースに運びます。

卒業論文作成の手順

卒業論文は題目が決定したら、それに向かって文献収集や調査を進めます。その方法は、取り上げたテーマ・題目によってかなり異なります。たとえば、データの収集・分析が主となる論文、現地調査(フィールドワーク)やアンケート集計が主となる論文、実験が主となる論文、そして論理的思考が主となる論文などいろいろあります。論文のスタイルによって執筆の手順などが異なります。
卒業論文は提出する期日が定められていますので、いつまでも文献の収集や現地調査に関わっているわけにはいきません。そこで、論文作成に必要な作業のスケジュールを立てておくことが必要です。

もっとも一般的な作業スケジュールを次に示しておきますので、これを参考に各自で作業スケジュールを組み立ててください。

  1. 情報を集める(5月~6月) 資料・文献・データの収集と整理
  2. 情報を分析する(7月~8月) 収集した資料等の分析
  3. 構成を考える(8月~9月) データに基づいた論文の構成
  4. 実際に論文を書く(9月~11月) 実際に論文の作成
  5. まとめる(12月) 最終